Project Story01

もっと特別で、もっと
使いやすいカードへ

2020年12月、ダイナースクラブは60周年を機に会社・ブランドの顔となるカードデザインを刷新しました。これは単なるカードデザインの変更だけではなく、タッチ決済という新たな機能を搭載することで、利便性とセキュリティの向上にも挑戦。このかつてないプロジェクトには、どんなやりがいや苦労があったのか。二人の担当者に話を聞きました。

Project Member

川田 翼
商品企画部 商品企画チーム
アシスタント・マネージャー
2013年入社

高校卒業後、イギリスの大学へ入学。卒業後、日本に戻り就職活動を行う。ユニークな市場だと感じたクレジットカード業界にフォーカスする中で、その中でも富裕層をターゲットにしたダイナースクラブカードに興味を持ち、その魅力を発信していきたいと考え入社した。

増田 尚己
商品企画部 法人企画チーム
チーム長
1995年入社

途中クレジットカード以外の業界でも経験を積み、2015年からカードのポイント制度であるリワードプログラムのチーム長を務め、2020年に商品企画チームへ異動。今回のプロジェクトを成功させ、現在は法人企画チームで指揮を執る。

Story 01

世界で日本だけにしかない
カードを

川田

日本においてダイナースクラブが60周年を迎えるにあたり、ブランドの見直し、サービスの改訂など、さまざまな変更が一挙に行われ一大プロジェクトとなりました。その中で、私たち商品企画チームが主に担当したのは、カードのデザイン変更とカードにタッチ決済機能を搭載することでした。

増田

カードのデザインに関しては、もともとお客様から「もっと高級感がほしい」というお声をいただいており、60周年を機にリニューアルをしたという流れです。これまでのデザインはマット加工で、長年使っていくと端が擦れてしまうといったお声もあったので、鏡面(光沢)加工を施すことにしました。これにより、通常のシルバーのカードはよりプラチナ感が増し、招待制のプレミアムカードは、黒の濃度を上げたこともあり、真っ黒な輝きを放つカードになりました。

川田

プレミアムカードはお客様がイメージされる、「ブラックカード」にかなり近いものになったと思います。これまでカードデザインは、ダイナースクラブインターナショナル(以下DCI)という米国にあるダイナースクラブの本体が規定したテンプレートの中から選んでいましたが、今回はそのテンプレートを日本向けにアレンジしたことが大きな特徴となりました。

増田

ダイナースクラブのカードはクラブメンバーの証でもあるので、お客様からもカードのデザインには貴重なご意見を頂くことがあるよね。今回は、持っていることをより誇りに思っていただけるデザインを目指して、我々が思い描いた通りに仕上げられたことに加え、世界で日本だけにしかないオリジナルなデザインになったよね。でも、DCIとの折衝は大変だったでしょう。

川田

デザインを変更するには、単純に「これが日本ではかっこいいんです」というやり方では本国のマーケティングチームに納得してもらえません。そこで第三者機関を通してアンケート調査を行い、上位だった意見を集約して論理的な説明を行いました。またスピード感も必要でしたので、増田さんに教えていただいた通り、本国との密な連携は大切にしていました。

Story 02

グローバルスタンダードな
デザイン

増田

今回のデザイン変更でもう一つ特徴的なのは、カード番号などの情報をすべて裏面に集約したことですね。

川田

カード情報を裏面に記載する仕様は海外ではすでにスタンダードで、店頭でカードを見せる時に情報を盗み見されないなど、セキュリティ面のメリットがあります。今回はグローバルなトレンドに合わせて、そのようにしました。ただ、その仕様変更は想像以上に複雑だったことに驚きました。

増田

「裏に情報を記載する」と口に出せば簡単そうに聞こえるけど、色々な要素が絡んでいるからね。

川田

カードは単純なプラスチックに見えて、中にはICチップやアンテナが搭載されているので、カード番号を記載する位置には制限があり、レギュレーションでしっかりと決まっています。これを守らないとカード決済を取り巻くシステムにも影響が出てくるため、「裏面のこの場所に何ミリ間隔で印字する」など細やかな調整には苦労しましたし、デザインが決まらなければ次のシステム開発に進めないというプレッシャーもありました。

増田

「タッチ決済機能の搭載」というミッションもありましたね。タッチ決済は、カードを端末にスライドさせたり、差し込んで暗証番号を打ち込むという使い方とは仕組みが違い、お店でタッチ決済が使われた時にどのルートで当社にデータを飛ばすのかなど、そこのシステムのつくり込みやネットワークの修正をしなければならなかった。システムベンダーさん、プラスチックのベンダーさん、社内関連部署など、色々な人が絡み合ったので調整が非常に大変でしたね。

川田

確かに大変でしたが、増田さんにさまざまなサポートをいただいたおかげで進められました。こちらを調整したら、あちらに影響が出るかもしれないなど、私が気付けなかったリスクについてのアドバイスをいただけたりしたので、大きなトラブルもなく発行でき安心しました。

Story 03

さまざまな連携が成功への
ポイント

増田

普段は一つの業務に集中してもらうように仕事をお願いしているけど、今回はコロナ禍ということもあったので、チームのメンバーの皆にはプロジェクト業務とは別の業務もしてもらうマルチタスクをお願いさせてもらったね。通常のプロジェクトとは違った進め方だったから、本当に大変だったと思う。

川田

私はカードデザインに加えて、各種媒体との調整も任せてもらいましたが、マルチタスクは得意な方ではなかったので、正直とても大変でしたね。(笑)増田さんをはじめ、他部署の方にも助けていただきながら何とか進められたという印象です。しかし、この経験で当社の部署間のつながりの強さは改めて感じることができました。カード発行に関すること、パートナーとの交渉、媒体の選定・制作など、それぞれに知見の深い方がおり、皆さんのサポートをいただきつつ、一丸となって乗り越えられました。増田さんはどんな点が一番苦労されましたか?

増田

私は全体の統括を担当していたけど、コロナ禍で想定外のことがたくさん起こり、とにかくスケジューリングに苦労しました。システム開発の部分は、テストを含めて「半年」というスピード感だったから、特に難しかったかな。スケジュールが崩れてリカバリーをすれば、次は別のスケジュールに影響するということも度々あったけど、皆さんの協力もあって最終的にはすべてをローンチに間に合わすことができました。このプロジェクトがうまくいったのは、皆さんの協力のおかげだよ。確かに大変だったと思うけど、皆さんの成長にもつながっていると思うと、やり切れてよかったと思う。

川田

私もやり切れてよかったです。今回は色々な方とのコミュニケーションが胆になりましたが、とにかく話し、分からないことはためらわずに聞く。疑問点や理解しにくい点があれば、両者が同じレベルに納得できるまでしっかり話すこと。この2点が大切だと学ぶことができました。

Story 04

新しいカードで次の
ステージへ

川田

ここ十数年、オリジナルのカードデザインの採用はなかったので、日本向けのデザインや裏面にカード情報を記載するなど、はじめて尽くしの挑戦を乗り越え、会員様にカードを使っていただいているのを見届けた瞬間は、大きなやりがいを感じました。

増田

私はこの業界に携わって長いけど、自分たちの仕事が世の中で色々な価値を生み出していることを実感する瞬間は、やはりいつだって嬉しく感じるね。

川田

また、本国を相手にグローバルな仕事ができたことも、個人的にはとてもよい経験になったと思っています。やり取りは常に英語を使って行っていましたし、自分の得意分野が生かせました。そういったことも含め、さまざまなことに挑戦できたのは楽しかったです。

増田

プロジェクトの目的や背景を丁寧に説明するなど、楽しんで参加してもらえるように心がけていたけど、そう思ってくれていたなら、マネジメントをする立場からするとすごく嬉しいね。そうやってチームの皆が主体的に自分たちの仕事をやり遂げ、お客様の反応を見て喜んでいる姿を見た時が、私は一番やりがいを感じたかな。

川田

ありがとうございます。今後はこの経験を通じて、入社時から希望している、年間を通じた大規模な広告戦略に携わってみたいですね。今回のプロジェクトでも少し関わらせていただきましたが、対外的な広告や自社媒体でのコミュニケーションなど、媒体を通じて自社の強みとよさを伝え、広報なども含め、ブランドプロモーション・コミュニケーションをすべて戦略的にまとめるようなプロジェクトを担当してみたいです。

増田

ダイナースクラブカードの日本でのシェアは、まだまだ満足いくものではないからね。それは特別なカードとして、私たちがターゲットとなるお客様を絞っているからなんだけど、伸びしろは大きいと思う。だからこそ、川田さんが言うように今後の広告戦略は大事になってくるだろうね。また私としては、新商品をつくったり、まだ世に出ていないコンセプトの決済手段の提供などを企画開発していきたいと思っているよ。

川田

今回は60周年でしたが、次の周年までにさらに価値のあるカードに育てていきたいですね。

※所属部署・部署名は取材当時のものです。